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Vol.55メンテナンス情報637、洗面台クレームの多発 2007.07.05
1、建築素材の多様化によるクレーム
プラスチック系大理石のクレームが多発しています。この人工大理石は床に使用されるレジンテラゾーとは別物で、システムキッチンに使用されるアクリル系人工大理石と同じ系統の商品です。クレームが増えている事例はポリエステル系人工大理石で、洗剤によるしみや変色が報告されています。洗剤後とともにイソジンがしみになるという報告もあります。このクレームを起こす洗剤は特定の洗剤とのことですので注意してください。
今売り出し中のナショナルのトイレも有機ガラス系プラスチックといわれています。トイレ特有の珪酸系汚れがつきにくいという利点がある反面溶剤に対する耐性やタバコの火などの耐熱性、研磨材に対する傷なども問題です。陶器系に対して利点もありますが、欠点も無いわけではありません。陶器製との優劣は今後明らかになるでしょう。いずれにしても清掃が全く不必要とは考えられません。
2、ガラス素材の増加とクレームの増加の背景
六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、新丸ビル、と再開発の波の中でガラス系素材の使用が大幅に増えています。ガラス系素材とはガラスに似た素材(ガラス類似素材)を含めたガラス、有機ガラス、陶磁器、石材、石材風ビニールタイルまで含めた素材で以前のように境目がなくなっています。ガラスメーカーはガラスだけを考えれば良いのですが、ビルメン現場はこれ等の全てに対応しなければなりません。たとえばセラミックタイルということ言葉がありますがこの境界も明確ではなくなってきています。ワックスメーカーのセールスさえあやふやな答えしか出来ませんし、まず現場でこれ等の区別をするのは判別薬品などを使用しなければ難しくなりつつあります。たとえば結晶化ガラス、天然石風陶磁タイル、石材、石材風ビニールタイル、などの区別目視だけでは難しくなっています。これ等はビルの外壁だけでなく、壁面、天井、床、間仕切りなど室内でも多用されています。ガラスといえば外装業者に丸投げすればよかったのですが、それが出来なくなりつつあります。そしてここ10年のガラスの進化いわゆる機能ガラスの進化です。やわらかいガラス、洗剤に弱いガラスなどメンテに関する性質も以前のガラスではありません。その上ガラスはエコ素材であるという性質が追い風になり、今後益々使用部分が増えることは間違いありません。先に述べてポリエステル洗面台のクレームもこの問題の延長線上にあります。
ガラスと思っていた素材がそうでなかったということです。
3、ガラスメンテナンス研究の高度化の必要性
現在ガラスは石材を追い抜く勢いです。ガラスの技術は石材と比べはるかに高度です。むしろファインセラミックという言葉がぴったりしています。最近のガラス技術は薄型テレビのガラス技術でこれがテレビの売れ行きを支配するようになっています。シャープのガラスや最近ビルの壁やトイレに使用される結晶化ガラスはNECの技術なのです。
そしてこれ等のメーカは素材の研究が第1でメンテは第2になっています。このことはクレームはビルメンの責任になる傾向が強いのです。言い換えればこれ等のメーカーに取り責任を押し付けるビルメンの存在は大変ありがたいということです。これに対抗するにはビルメンの技術を上げるしかないのです。
その武器は@電子顕微鏡AX線回析装置BPVCスンプです。この2つは各協会の共用で装備しておく必要があります。汚れの分析にはぜひ必要な機器です。これ等は最近公共施設のものを安く借りられますが、ビルメンでの使用法のマニュアルはビルメンでないと作成できません。これ等のデータを提案書につければゼネコンやメーカーと対抗できます。
10年前に森谷先生と資料をまとめてビルメン協会とガラスクリーニング協会に提案しましたが、相手にされませんでした。
以下これ等の機器の利点を列記します。
- 電子顕微鏡は説明の必要が無いと思います。公共施設では1枚5000円ぐらいの費用で使用できますが、ビルメン向きの採取用具やマニュアルはビルメン自身が研究する必要が在ります。現在顕微鏡写真は資材業者の販売用に撮影されたものが多くビルメン現場に取り利益にならない場合が多いのです。23区では高校の先生が簡単に撮影しています。価格もベンツよりも安いものも多くあります。
- X線回析装置は汚れやガラス表面、石材表面の汚れ、石材判別、タイル表面の汚れ、などの研究には無くてはならない資材です。最近この携帯型が発売され、エジプトの土器とくにラスタータイルの分析に使用されています。
- PVCスンプはや外壁の石材や金属の表面を写し取る技法でこのサンプルは何年でも保管でき経年変化をオーナーに示すことが出来ます。ヤクルトホールや小松ビルなどの資料があります。費用は数百円で可能です。この方法は東京ビルメン協会のテキストに記載しましたが編集委員により削除されました。当時の提案が受け入れられなかった理由は、ガラスクリーニング協会賛助会員の高千穂、ミヤキ、紺商などの反対があったとの話があります。現在はガラスクリーニング協会も若手が多くなり、保守的な考え方が変わりつつありますので業者の受け売りで無く独自の研究の受け継ぎがされれば森谷先生の供養にもなります。
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