クレーム対応術 Vol.54メンテナンス情報633 オーナーからのインスペクションクレーム
   
Vol.54メンテナンス情報633 オーナーからのインスペクションクレーム 2007.06.26

1、インスペクションクレームの増加
最近きれいさの評価すなわちインスペクションに関してビルオーナーや管理会社とのトラブルが増加している。ISOをはじめとする品質管理の流行に伴い、現行のビルメン業界で行われている。理論先行で具体性の少ない品質管理に変わり具体的な品質管理が求められている。そのひとつがグロスメーターによるグロス(つや)管理である。数値のばらつきやきれいさとつやは同じではないという問題はあるにしても、ある程度の定着を見せている。そのひとつがビルメン協会が行っているインスペクションがある。この方法は作業者がある種の判定方法を決めてそれにのっとり点数評価を行いきれいさを定めるという方法である。言い換えるとビルメン協会会長が認めたインスペクターがきれいさを判定するという方法であり、言い換えるとビルメンテナンス協会会長がきれいさを判定することに他ならない。
またこの方法はISOやJISに定められた清掃品質の判別技術ではない。
通常JISで認められるにはその手法を関連業界全てが認めたしたものである必要がある。これは官界(厚生労働省)、学会、民間関連団体、の3者が共同研究を行いいわゆる厚生科学研究にもとずき定めた技法である必要がある。言い換えれば現在のインスペクション技法は第3者機関に認められていない技法ということになり、法律による強制力を持ってはいない。インスペクションクレームの多くは元受や下請ビルメン法律に定められた技法であるとして管理会社、ゼネコン、などにこの数値が法的強制力があるものと勘違いして強く主張しすぎるのが原因である。それを知らないと管理会社とのトラブルになる。現状のインスペクションは、数値測定による絶対的きれいさではなく、目視による相対的きれいさである。ということである。このことは現状のインスペクションを管理会社に認めてもらうのには管理会社の信頼(コンセンサス)を得る必要がある。言い換えれば管理会社の目から見ればビルメン側の自己評価に過ぎない。それを判定するのは管理会社である。温度、湿度、などの測定値、バキュームの吸引力、洗剤の成分などのように測定値を強く主張できないのは、管理会社に認められていないからである。議員を動かして厚生労働省働きかけ現状のインスペクション制度を法制化するのは難しい。
現状のインスペクションが適応できるのは元受ビルメンの下請業者管理である。ビルオーナーやビル管理会社は自社の評価法(インスペクション)をもっている。この現状を踏まえてインスペクションクレームに対応する必要がある。

  1. インスペクションクレーム例1
    最も多いクレームはインスペクション評価点の見直し
    あるビルメンが協会マニュアルに沿って提出した採点が75点であったので、そのまま提出したところ、書き直しを命じられた。本来契約どおりの作業を行っていれば100点であるはずである。75点というのは十分な作業をしていない。言い換えれば契約違反ではないか。また見方によれば管理会社の係の管理能力不足をあらわしている。という反論があり結局90点で折り合いがついた。
  2. インスペクションクレーム例2
    ある現場が90点で提出したが、管理会社は他の現場と比較して90点とは考えられない。
    その結果75点で話し合いがついた。
  3. インスペクションクレーム例3
    この汚れはこのビルが建てられたときからの汚れで椅子に座る人の頭髪の油が黒のスレートにしみこんだものである。これを落とすには溶剤による吸着法による除去が必要である。このベンチを取り去ればこの汚れは無くなる。またこの部分に撥水剤を塗布する方法もあるが壁面全体に平均に塗布することは至難の業である。この汚れは10年前の業界紙ビルクリーニングでも表紙に取り上げられている。有名な汚れである。
    このように管理会社が認めている汚れはインスペクションから除外すべきかどうか問題である。
  4. インスペクションクレーム例4
    見えない汚れは現状では余り問題にならない。しかしビルメン業界が予防メンテナスを主張しているためオーナーによっては、これがクレームになる場合もある。カーぺットの洗浄後汚れが上がる現象、吸い上げまたはウイックアップ現象である。これの原因はバキューム不足であり、管理会社によってはクレームとして評価する。獣道の前兆との考えである。最近のハイロウカーぺットのある種のものはこの現象がおきやすい。またある大手管理会社はカーぺットを水をつけた歯ブラシでこすり泡立ちを見てすすぎの不足を指摘する抜き打ち検査を行った。最近またアメリカの洗剤は乾燥して粉になるため1度のバキュームで回収できるという30年前の理論をうりものにしている業者がいることも影響している。これは20年前の厚生科学研究で否定されている。

2、インスペクションクレームを防ぐには以下のような取り組みが必要である。

  1. まずオーナー、管理会社とのコンセンサスである。これがあれば問題は起こらない
  2. JISなどの測定法をうらずづけにした測定技法を出来るだけ導入する
  3. 厚生省、学会、の同意を得る。
  4. 目に見えない汚れ(ハウスダスト)はきれいさの基準として無視できない現状である。これ等の定量化の技法の開発

 

クレーム対応術現場清掃技術情報知っ得
copyright(c)2005 kokorominoki allright reserved