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Vol.49メンテナンス情報614、クレームと品質管理 2007.04.11
系統的クレーム研究の必要性
クレームとクレーム対応の質問のアクセスが急増している。話を聞いてみるとISOやインスペクションの話が出てくる。今までのその場しのぎのクレーム対応とは要求事項が違う。
従来のように単純にオーナーからの指摘に対しその場だけの処理対応ではなく、クレーム対応データ化して品質管理などに利用しようという考えのようである。それだけビルメン業界が厳しくなっているともいえる。また最近リスクマネジメントの考えの広まりも大きな影響といえる。そこで過去のビルメンでのクレームについての取り組みの経緯についてまとめてみた。
ビルメン業界ではクレームは存在しないことになっている。30年前にクレームと損害賠償が最も多いかーぺットに関して、(社)全国インテリアクリーニング協会でカーぺットクレーム表を作成し、同時にクレームの定義と責任範囲、クレーム賠償基準の作成の必要性を田中定二氏を通じて東京ビルメン協会清掃委員会に提案した。しかしビルメン業界にクレームは存在しない。人身事故は全て保険会社に任せる、作業上のクレームについて床材クレームはワックスメーカー、カーぺットクレームはカーぺット洗剤、しみぬき剤メーカーの責任で対応する、それらメーカーの指示通りに作業している以上ビルメンに責任は無いという考えであった。また東京ビルメンテナンス協会から石材メンテナンステキストを作成の依頼があつた時に委員長の島岡氏を通じ石材クレーム表の記載を提案したが協会としてはこれ等建築資材のクレームを認めるわけにはいかない。現在はPL法があり、カーぺット、石材、フローリング、ビニールタイルなどはビルメンの製造物ではない。これ等の建築資材を清掃機械、洗剤など清掃資材をメーカーの指示通りメンテナンスをしていてクレームになれば、それらは全て製造者の責任でありビルメンの責任ではない。しかし指示通りメンテナンスしたかの問題は起きることがあり、これ等はクレームではなく、トラブルであるとして、クレームとは別に石材メンテナンステキストに記載することは可能であるという見解であった。しかし現状は全く別で、管理会社からのクレームは多発している。この場合のクレームはビルオーナーからの主として品質に関する不満の表明である。(クリーニング業界の定義)もちろん死亡事故などの事例は多くないが、多くは作業のやり直しなどの損失を伴いビルメン現場特に下請に大きな負担を強いている。これらのクレーム(トラブル)を現実に資機材メーカーに負担させることは不可能である。10年前からフローリングの弁償問題が多発した。ポリッシュ工業会がフローリングメーカーと通達を出すからにはかなりの弁償問題が起きているはずである。おそらくこれ等は保険で補填されていると考えられる。死亡事故の保険金と比較して総額から見れば一概に少ないとは言い切れない。このようにリスクマネジメントは本来、保険、洗剤、床材などの他業者に任せるべきものではない。ビルメン自身が作成すべきものである。ビルメン業界に近いクリーニング業界でもクレームの定義と範囲、賠償基準を作成しているのは現実にリスクを避けきれないからである。もちろんこのほかに大手業者たとえば白洋社などは自社のリスクマネジメントをもっている。
30年前の提案はクリーニング総合研究所の林先生の意見であり、ビルメン業界とクリーニング業界が共通のリスクマネジメントを所有すれば保険料を初めとして業界の負担を軽減できるとの考えであった
またクレームの無いことは品質の証明でもある。仮にクレームが全く無いことは消費者が満足していることの証明であり、実質的品質証明にもなる。
いずれにしてもクレーム研究に30年前からビルメン業界が取り組んでいれば、かなりの蓄積データーを武器として保険料を初めとしてビルオーナーの値切りに対しても説明でき、業界の負担が軽減されていたはずである。
重要なのはクレーム表による単なる分類命名ではなく、クレームを処理する技術とクレームを起こす床材の判別が出来なければ意味を成さない。たとえば最近のリノリウムの現場判別を出来ないワックスメーカーのセールスがかなりいることである。新品のサンプルであればともかく現場での判別は難しく特にビニールタイルのリノリウム柄との判別は外見だけからは難しいことをリノリウムメーカーが認めている。すなわち教科書の上の知識や技術でなく実際に現場で実行できる知識や技術が必要である。そのためには実験と写真ではなく本物のクレーム素材などが必要になる。これ等教育用クレーム素材は石材、カーぺットに関してはかなりの数を集めて、協会の2階に保管してあったが、試験管など実験用具とともにほとんど散逸しているのは残念である。
いずれにしてもクレーム対応(リスクマネジメント)を他業界に押し付けることは出来ないのが現実である。第1の理由は保険業界、床材メーカー、清掃機械業界はビルメンのことを考えて販売しえいるわけではない。次にここ数年ビルメンを取り巻く床材、清掃資機材は端的に言えば欠陥品だらけである。
カタログの1 /3しか性能の無いバキューム、燐を含んだ自然にやさしい洗剤、よごれが落とせず3年しか使用できなかった東京フォーラムのカーぺット。開店1週間目によごれが落ちなくなった新宿駅ビル食堂街の花崗岩、ポリッシャで石材がはがれる新宿高島屋の洗い出しテラゾー、3年で立て替えられた品川駅トイレ、焼きつきの起きる恵比寿駅ビルのカーぺット。特にこれ等現場は全てクレームとして第1にビルメンの責任が問われた事例である。これ等は見方によればビルメンの責任ではない。これ等の床材は初めからメンテ不能床材といえる。しかしこれ等がビルメンの責任でないことを証明するにはビルメン自身の研究により@具体的リスクの調査(クレーム@覧表)Aリスクの重み付け(クレームマッピング)Bリスク処理(クレーム対応技術)などのデータ蓄積が必要であり、これ等は保険業界など他業界が行ってはくれない。とにかくクレーム研究は業界のマイナスという考えはそろそろ変える必要がある。
カーぺットメンテナンスに無くてはならない。アップライトバキュームはハウスダスト除去の有力な道具である。
低性能バキュームはカーぺットクレームだけで無くシックハウスの遠因であり、今後人手不足で重要性が増しつつある自動床洗浄機の性能表示(吸い込み仕事率)と性能維持管理は提案されて20年いまだに1部ビルメンと販売会社の反対で手付かずである。また墜落など死亡事故は大きく扱われるが、手あれや洗剤アトピーはほとんど取り上げられていない。これ等はリスク管理の最優先項目であろう。
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