Vol.28 石材用ワックス 2005.05.09
(株)ビル代行 教育課 鈴木 悟
石材用ワックスとは、通常我々が使用するアクリル・ウレタン系の樹脂ワックスのことですが石材の性質に合わせた配合になっています。
石材が塩化ビニールタイルと違うのは、弾力性が無いことです。磁器類とともに硬質床剤とよばれています。
では、ワックスを塗る場合、他の床剤とくらべて、どのような問題があるでしょうか。
石材に樹脂ワックスを塗布した経験のある方はご存知でしょうが、ワックスを塗ってから歩行等で導線ができはじめると、日焼けした肌みたいにワックスがとれて、汚れも抱き込み非常に見苦しくなります。剥離をのばして洗浄ワックス塗布を続けると、月面のクレーターのようになってしまいます。
原因は、樹脂ワックスと石材の相性がビニールタイルに比べると悪いため、密着不良を起こしているためです。最近の塩ビ系の床材は樹脂ワックスが乗りにくいものもあますが、床面を良く洗い、洗剤や可塑剤を除去しておけば、そう簡単に密着不良にはなりません、本来、有機系の樹脂と無機系の岩石とでは相性が悪くなかなか密着が難しいのです。 |

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そのためワックス洗剤メーカーから出ている石材用の樹脂ワックスは、先ず、この密着性を重要視しています。そのため柔らかいものが多く、石材本来のツヤを重視するため透明度も出せるように、また気化熱等で常時低温状態の石でも密着するように、塩ビ用ワックス以上に低温増膜性をアップさせています。ワックスが柔らかいので、どうしても剥離の頻度が上がりますが、剥離性も高めており、たとえばJ社の場合、通常の表面洗浄剤の濃度を上げると剥離が出来るようになっています。半樹脂ワックスに近い扱いが出来るようになっているものもあります。(逆にウレタン入りの硬いワックスもあります、Y社U製品)
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石材用のワックスは、専用の剥離剤か中性に近い溶剤タイプの剥離剤で除去でき、石材にも影響のない(ノン強アルカリ)タイプになっています。
石材へのワックス塗布は石材保護という点では非常に利点があります、密着さえクリアーすればシミ抜きの心配も無くなり、管理がし易くなります。ただし竣工後1年間はワックス禁止という現場が多いようです。これは石材メーカーがワックスのツヤを嫌がるためですが、石材は固いスポンジみたいな素材ですので、ワックスかコート剤(塗料も含めて)で表面を保護することについては、オーナー側の了解さえ得られれば、出来るだけ行っていくべきだと思います。ワックスの透明感を維持できれば、石の風合いを保てますし、なにより石を保護できます。しかも、いつでも剥離できる点がワックスの強みです。
追記
石材の中で大理石は爪と同じ硬さです。砂をもちこまれたら、たちまちつや落ちします。これに対応するには皮膜の出来るワックスの力が必要です。よく石は息をしているから撥水剤が良いといわれますが、これは撥水剤側の大分で最近はほとんど息をしていません。裏側にワックスや塗料を塗布する場合,ガラス繊維を貼ったものまであります。又最近のビルで撥水剤の効果が余りに短いため対費用効果を管理会社に指摘され、推薦したビルメンの責任問題が起きた例もあります。これが絶対という保護剤はありません。欠点はあるにしても最もリーズナブルな管理方法がワックス塗布といえます。ここに表示した製品は少し古いかもしれませんがそれなりの実績があります。しかし最近は多くの新しい石材が輸入されています。特に流行のライムストーンは吸い込み量の差が大きい石材です。この石材に注意が必要なのはワックスだけではありません。撥水剤も効果の問題が起きています。撥水剤の問題点はその価格とワックスや珪弗化処理、蓚酸研磨、などと併用できないことです。その石材に対するワックスの選択が成功の鍵です。言い換えると石材の見分けと物性に詳しいセールスが成功のポイントです。
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